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聞いた言葉・第83回目、『全ての人をいつまでもだまし続けることは出来ない。』

 

全ての人をいつまでもだまし続けることは出来ない。

 私は、学校の授業や教科書でアメリカ合衆国第16代大統領アブラハム・リンカーンのことについて、そのほんの一部ではありましたが習いました。そのリーンカーンの言葉として、次のようなことを社会人になって10年も過ぎた頃でしょうか、何かの雑誌で知りました。念のため今回の標題「全ての人をいつまでもだまし続けることは出来ない。」は、下記の言葉(英語及び和訳)の一部です。

 You can fool some of the people all the time and all the people some of the time, but you can't fool all the people all the time.(Abraham Lincoln 1809-1865) <一部の人たちを常に、そして全ての人たちを一時だますことはできるが、全ての人をいつまでもだまし続けることは出来ない。

 上記は、生前のリンカーン(1809-1865)の言葉ですが、今現在でも色々な意味を持って日本社会へ問われているような気がします。今回私が書いていますのは、家族、親戚あるいは友人間レベルの発言ではなく、広く社会に与える影響力ある方々(行政、マスコミ、企業など)から発している事柄です。

 私は、以前この『聞いた言葉シリーズ』の第68回目「自分で真実を探す時代」のページにイラク戦争についての日米両政府の大義名分やマスコミの報道姿勢について書きました。

 この種の問題は簡単に書けないのは当然ながら、イラク戦争についての最初の”大義名分”(大量破壊兵器の存在その他)は、いずれも真実ではなかったと言うことでした。もっと分かりやすく言うなら、”国民は騙されていた”のではないかと言うことです。

 また、このような海外での戦争のことばかりではなく、私のような庶民とも関係が深い食品などの産地や期限の偽装、マンションなどの耐震偽装問題あるいは政治の話しでは「政治と金」の問題など、常に何らかの形で問題が発生していることは、ご承知の通りです。

 日本には「嘘も方便(うそもほうべん)」(大辞泉によると「嘘は罪悪ではあるが、よい結果を得る手段として時には必要であるということ。 」)という言葉もない訳ではありません。でも、これは国語辞典の通り例えば親しい人が何かの理由で落ち込んでいる時など、その人を激励する時など使うものだと思います。

 しかし、この「嘘も方便」の言葉は多くの国民大衆に向って行政、マスコミ、企業などが使う用語ではないと思います。例えば、これを企業が意図的に使って商品などを販売していたとしたら、それは消費者のためではなく「会社の金儲け優先だけの手段」と言われても仕方ないと思います。しかし、いずれは様々な発端から「・・・・全ての人をいつまでもだまし続けることは出来ない。」ということになるのでしょうか。

 中には、その結果、会社の場合なら最悪倒産・破産になったり、政治家の場合なら辞職などに追い込まれたりしています。今回リーンカーンの言葉ですから、当然最終的には政治の事柄になりますが、果たして、いついつまでも全部の国民がずっと騙され続けられるものでしょうか。結果は、もう今回の言葉に集約されているような気がします。

(記:2007年10月17日)

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