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聞いた言葉・第84回目、『人は地下資源を作れない』

 

人は地下資源を作れない

 近年のガソリン価格動向を見て、改めてつくづく思うことがあります。現代社会において、電気、ガス、石油などが、万が一でもなければ直ぐに社会全体あるいは個人の生活でさえ直ぐに困る、または混乱することは、私のような者でも分かります。また、それ以外の各種の地下資源もなくなれば、同様のことが言えるでしょう。

 私は、住んでいる所が田舎ゆえに車は必需品で、日常の食料品や何か物を買うにしても、仕事その他の用事を済ますにも、自家用車で走り回っています。また、インターネットやパソコンその他の使用も寝る時間を除けば、ほとんど使っていますから、もしも停電になればたちどころに何も出来なくなります。

 また、私は1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災も経験しました。当時私の住んでいた地域は、被害や不便な生活は長期間ではなかったので困り果てたと言う状態ではありませんでした。

 それでも水、電気、ガスなどが使えなくなれば、このような状態になるのかと、身を持って実感したことも事実です。震災で多大な被害を遭われた方々や長期間にわたり不便な生活を経験された方々の生活は大変だったろうなあと想像します。

 私は、その後、地球環境について色々と報道されるたびに、日常いつも使えるのが極当然のごとく思っていた電気、ガスなどは、改めて地下資源などから造られているのだなあとも思いました。

 あと、このような地下資源は無限大に、永遠に人類が使えるものでないことも、これまた自明に理だと思います。このまま資源が使い続けられれば、いつの時代か、いずれは枯渇(こかつ=使い尽くされること)は、これまた当然のことだと思います。

 そのようなことを知りつつ、このまま放置していいのか、科学者はじめ多くの方々が長年考え、努力されていることも良く報道されています。しかし、事態はなかなか有効な形で進んでおらず、「もう地下資源を使わなくてもよくなった」などとは聞かないようです。

 逆に、世界では民族間、宗教間、国家間、局地紛争含めて、人類にとって最も悲劇で、最も地下資源の消耗も激しい人同士の争いが今なお続いています。尊い人命だけでなく、地球環境や地下資源の損失は計り知れないと思います。第二次大戦などを多くの国々で経験して、人類は不戦の誓いをしたのではないのでしょうか。

 また、人は地下資源は消費することはあっても作れないことも知っているのではないのでしょうか。人類誕生後、今まで何十万年と過ぎ、これからもまた人類は未来に向かって何十万年以上も子孫が続くのではないでしょうか。わずか、ここ数百年間くらいで石油その他の地下資源を枯渇させていいものでしょうか。

 このようなこを書いても、ひと一人の出来ることは限られてはいますが、近年の科学情報や石油の値上げ報道などを聞けばきくほど、人は地下資源は作れなくても、それに替わる何らかの知恵や力はないものかと、つくづく思わせる深刻さじゃないでしょうか。


(記:2007年10月24日)

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