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偕楽園、その2

 今まで一人でしたが、さすがにここは偕楽園のメインスポット、急に見学者が増えました。受付でお金を払い、資料と記念スタンプを捺して、振り返ると3階建ての大きな木ずくりの家がありました。靴をビニール袋に入れ、まず、1階から廊下伝いにゆっくりとまわることにしました。お殿様やその夫人の休憩の間、付き人の控えの間など見ていると入口と反対側に見晴らしのいい廊下がありました。ここからは園内の見張らし広場だけでなく、大きな千波湖や少し離れている水戸市内も遠望できました。

 その横にはあまり広くはなかったですが、庭石や庭木を程よく配置した小庭がありました。(下司の勘繰りみたいですが、「この石や木は今だったら1個何百万円、1本何十万円、足したら、あ〜あ何億何千万円だろうな〜」と思わざるを得ませんでした)それからさらにぐるっとまわると2階に上がる階段がありました。

 しかし、2階は少しだけでどちらかというと中2階の様なもので直ぐ3階になりました。この3階が1階以上に見晴らしがいい部屋がありました。壁の中にまるいのぞき窓があったり、竹の手すりが古い木とバランス良く感じたりと、さすがお殿様の休憩の間と思いました。ここから座って外を眺めると上の欄間、下の手すり、横の壁や柱が丁度額縁のようになり、中にある風景が絵のように見えました。(今風に言えば横長のハイビジョンテレビです)

 あまり普通では気がつかないような所に心憎いような、目に見えない贅沢を感じました。出口から振り返りながら再度見てもやはり「好文亭」は内も外も歴代藩主の性格が出ているのか、全体が質素でした。それでいてゆったりとのんびりできるような作りは当時の職人芸の粋が生かされているのだなあと思いました。

 受付を抜けて来た道と逆に行くと広い見晴らし広場に出てきました。ここで良く考えたら梅林の写真を撮っていなかったのに気ずき別の道で庭園を出ることにしました。「この梅の林は満開の時が最高だろうな、来たのがちょっと早かったな〜」と思いながら、それでも数枚写真は撮れました。


 梅林の外れに来ると甘酒、焼きそば、おでん等を売っている大将の声が元気良く耳に届きました。案内板をバックに一人で門の横木にカメラを乗せ遠隔操作で記念撮影して、出口にでました。

 偕楽園は他の2名園に比べ沢山見る所や贅をつくした作りはないと思います。しかし、兼六園にも後楽園にもない、なぜかほっとさせるような何かをもった庭園でした。

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