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聞いた言葉・第209回目、他人より優れた者でなく、過去の自身より優れた者が気高い

他人より優れた者でなく、過去の自身より優れた者が気高い

 今回の言葉は、文豪ヘミングウェイ(下記の広辞苑参照)の言葉からです。しかし、私が、この言葉を知ったのは、映画「キングスマン」(Kingsman: The Secret Service)の台詞(正確には字幕)からでした。(右下画像はアマゾン販売サイトの映画「キングスマン」のブルーレイディスクから) この映画は、イギリスで制作され、日本で2015年9月11日に公開されています。(映画「キングスマン」の公式サイトは、ここからご覧下さい)

 広辞苑の解説より、ヘミングウェイ(Ernest Hemingway)=アメリカの小説家。「失われた世代」に属し、ハードボイルド文学の先駆者。小説「日はまた昇る」「武器よさらば」「誰がために鐘は鳴る」「老人と海」など。ノーベル賞(1899〜1961)

 念のため、この聞いた言葉シリーズは、映画紹介のページではありません。そのため、詳細に本映画について書きませんが、あらすじをヤフー映画紹介ページを引用して、次の「」内に書いておきます。 「ロンドンにある高級スーツ店「キングスマン」は、実はいかなる国の干渉も受けない屈指のエリートスパイ集団だった。ブリティッシュスーツを小粋に着こなす紳士ハリー(コリン・ファース)もその一人で、日々極秘任務の遂行に務めていた。そんなある日、仲間が何者かに暗殺され、彼は街で不良少年エグジー(タロン・エガートン)をスカウトする」

 つまり、極簡単に言えば、スパイ・アクション映画です。ただし、私の個人的な感想ながら、同じようなアクション映画でも、例えば007シリーズとか、ジェイソン・ボーン・シリーズなどとは、ちょっと違った雰囲気もしました。特に、指導役ハリーが新入り予定者エグジーへ、「エージェント(スパイ)になるには、まず、勉強して紳士になること、そして正しい礼儀とオーダーメイドのスーツを身につけよ」みたいに徹底して教え込むシーンは繰り返し出てきます。

 そして、そのことを聞いたエグジーが、「自分は、そんな家柄に育っていない、だから出来ない。映画マイフェアレディーみたいに話し方から直すのか?」などのやり取りをしながら、ロンドンの市街地を二人は歩きます。その時、ハリーがエグジーへ、次の言葉を言います。

 英語で「As Hemingway said "There is nothing noble in being superior to your fellow man; true nobility is being superior to your former self."」  <日本語字幕で「ヘミングウェイは言った”他人より優れた者でなく、過去の自身より優れた者が気高い”」>

 分かりやすい言葉ですから、さらに補足の必要もないのでしょうが、上野流に今回のヘミングウェイ先生の言葉を解釈しますと、次の「」内と思っています。「自分(人物)の評価は他人対比で優劣を付けるのではなく、過去の自分実績と比べなさい。(それが重要ですよ)」と、同意語かなあと考えました。

 英語に、noble=ノーブル(高潔な,気高い,崇高な(新英和中辞典より)の文字があります。このような言葉は、私とは無縁の存在ながら、自己流解釈で考えるならば、今回の言葉全体は、なるほど、それはそうだなあと思いました。

 対比や見比べると言う点では、例えば企業間・技術競争あるいは、シェア(市場占有率)争いなどは、激烈な現状でしょう。そんなことは関係ないと思う庶民でも、「隣の貧乏 鴨の味」という言葉もあり、どこかで他人の生活などを見比べているのかもしれません。

 また、教育界でも同じではないでしょうか。例えば「うちの学校は全国一斉テストで良かった、悪かった、県下で何番目だった」「今年度、あの高校は東京大学に何十人も受かったからエリート校だ」みたいな言葉も良く聞くようです。私は、この種の言葉を全否定はしていませんが、個人ベースで、しかも長い一生で逆算するならば、なんか違和感を覚えます。

 一時期、学力世界一となったフィンランドの教育は、まさしく、今回の言葉と同じようなものです。個々の生徒の学力(成績)を全国や他の生徒対比で考えるのでなく、今までのその生徒個人の学力対比で現状あるいは今後どう伸ばすかが、常に位置付けられていると雑誌などで、私は知りました。

 そのフィンランドは、日本みたいに全国(地域)一斉学力テストもないようです。また、小中学校でも単位制で中には週休3日の生徒もいて、勉強(学力)は、授業時間の長短ではなく、本人のやる気と工夫しだいとも言われているようです。そして、世界一の学力になったのは、たまたまの結果反映で、その後、何位になろうが関係ないことで、とにかく、生徒個々の能力を今までより、どう伸ばしていくか、それが最重要みたいな内容でした。

私の関係ホームページ
 永遠に生きるかのように学べ、明日死ぬかのように生きろ
 好きこそ物の上手なれ
 古人の跡を求めず、古人の求めたる所を求めよ
 賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ

 逆に言えば、この過去の自分実績と対比するのは、他人対比(他人のテスト点数対比も含めて)より難しく、さらに研ぎ澄まされた目や判断力を自ら持っていないと出来ないことでしょう。私自身も、なかなか出来ないなあと思いつつも、何か目標を決めて、一歩でも半歩でも近づき、そして「去年は、ここまで達成したから、今年は、あのレベルまでやってみよう」みたいなことは考えてはいます。

 今回のヘミングウェイ先生の言葉は、既に掲載中のインドのガンジー先生の言葉「永遠に生きるかのように学べ、明日死ぬかのように生きろ」にも相通じる雰囲気もあり、常にサボリ症で、不勉強者の私には堪えることでもありました。


(記:2018年2月12日)

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