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聞いた言葉・第34回目、『百の書物よりも1本のワインの中に哲学がある』

百の書物よりも1本のワインの中に哲学がある

 私は、この言葉をエールフランス航空のガイドブックで知りました。1986年2月にヨーロッパ3空港調査のため、初めて海外旅行を経験しました。この時、利用したエアーラインが、エールフランスでした。航空券を始め、もらったチラシ、ガイドブックなど、見るもの全て珍しく全ページ見ました。
フランス産ワインの一例

 その中のフランス料理やワンインを紹介しているページに、今回のこの言葉「「百の書物より1本のワインの中に哲学がある」(「Il y a plus de philosophie dans une bouteille de vin que dans tous les livres. 」 Pasteur, Louis )が、書いてありました。

 私は第一印象、ワインと哲学と何の関係があるのだろうと、少し分りずらい感じもしました。ただ、なかなか興味を引く言葉でもあったので、その後ずっと記憶に残りました。

 ここから、話は脱線していきますが、この旅行時、往復とも機内でワイン付きの食事ばかりでした。しかもさすが、エールフランスと思ったのが、出されたブルゴーニュ産白ワインの喉越しが良く、何杯も飲んだのを覚えています。

 あと、パリ、ローマ、ロンドンとも現地の方の接待で昼食を一緒にしたのですが、(ロンドンを除き)昼間からワイン飲みながらの食事でした。そんなことの連続で、夕食も料理とワインは一対のものと思い、毎回銘柄は変えながらもワインを注文しましたので、いっぺんにワイン好きになりました。

 この時は、見るもの、聞くもの、食べるもの、初めてばかりの旅行でしたから、全てにおいて印象深いのですが、特に、帰国後もワイン熱は収まりませんでした。そして、色々な方に教えてもらいながら、自分に合っているワインも徐々に分ってきました。

 私は、辛口の白ワインが好きで、イタリアの『ペガソ』(英訳ならペガサス)、『ソアベ』、南フランスの『フォルタンド・フランス』など、手ごろな値段でもあったので良く飲んでいました。また、当時チリ産のワインは、今ほど有名ではなく、値段も安かったのでけっこう口にしていました。(右写真は、アルザス産のリースリング)

 ワインを調べていましたら、「5大シャトーワイン」があると言うのも分ってきました。それは、シャトー・ラトゥール、マルゴー、ラフィット・ロートシルト、ムートン・ロートシルト、シャトー・オー・ブリオンの5銘柄です。機会あれば、一生に一度くらいは飲んでみたいと思うだけです。このようなことを書き始めたら止まらなくなりますので、いずれ、このページとは別に「ワイン」専門のページを掲載したいと考えていますので、本題の今回の言葉に戻ります。

 この言葉は、私だけかもしれませんが、「酒は百薬の長」という言葉を連想します。どちらもなんと、響きのいい言葉でしょうか。左様に、まあ、飲兵衛なら大義名分は二の次で、楽しく飲めたらいいのでしょうが。私は、「philosophie=哲学」の何たるかも分からないくせに、特に、「ワインの中に哲学がある」と言うくだりに強い興味を持ちました。

 それにしても、この言葉をいったパスツールと言う方は、世界人類にとって多大な功績を残されたと思います。科学者で、特に、細菌学では傑出した業績を残され、おかげで色々な病気になっても病原菌が分かり、直るようになったと私が学生の頃聞きました。そのような方が、このように述べておられるので、この言葉には、より一層重みと真実味があると思いました。
 
 人それぞれに、嬉しい時、楽しい時、悲しい時、珍しい料理の出た時、まったく極普通の、日常の料理の時など、いろんなワインの楽しみ方があろうかと思います。また、中にはワインラベルの生産年を見ただけで、「この年は天候が良くて、いいワインが出来た年だ。家族で大いに飲んだ年だ」などの話しをする人もいるそうです。生産地域の方々などは、ワインにまつわる話しなら永遠に続く位持っておられるのかもしれません。

私のホームページ、ワイン関係ページ紹介
ストラスブール旅行記、アルザス・ワイン街道巡り、太陽を感じるワインとは
ストラスブール旅行記、今アルザスが面白い3、アルザスワイン
 書物などで、ウンチク調べるよりは、それこそ、パスツール先生が言われた通り、1本のワインの中に、人の喜怒哀楽、生き方・暮らし方、気候風土、地球環境まで凝縮されているのかもしれません。愛好家にとって、ワインは人生そのもの酒のような気がします。(記:2003年8月17日)

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