人類3大課題 環境、エネルギー、食糧
今回のこの言葉、ずっと以前から言い方、表現方法または他の事柄と併せた用い方で様々なテーマで論じられてきました。 実際はもっともっと、人類にとって多くの課題があるのかもしれないのですが、日本人は昔から何か物事を表現する時、 「三大・・・」、「五大・・・」とか区切りのいい数字で表現してきましたので、今回のこの言葉も耳に残っているのだと 思います。
問題はいずれも、大変深刻なのですが、言葉上だけからなら「人類3大課題 環境、エネルギー、食糧」は、 身近なことばかりで、ある面分かりやすいのかなあとも思いました。
ただ、私はこの3大課題は、この地球に人類が誕生していらい例えば食糧なら動物、草木、穀物類など、またエネルギーしても薪(まき)、石炭、石油など、その都度様々な変化が あって現在までずっと続いてきたと思われます。
それも何万、何十万年という長い歴史の中での変遷でした。 この長い歴史の中で変化はあったとしても一部を除き、ほとんど人間として生活する上で最低限必要な量だけ、その日その月に暮らせるだけのものが あればいいくらいの範囲内の変わり方だったと思われます。
それが劇的に変わったのが、19世紀の産業革命以降でしょうか。当初は別としても、徐々に変わって、特に二つの世界大戦を経て大量消費と呼ばれる時代になって、さらに顕著になったと思われます。それは「人間として生活する上で最低限必要な量だけ」でなく、 「会社として儲けるための生産量あるいは消費量」に大幅に変わったからでしょう。
ただし、ここで明確に申し上げますが、私は決して会社の儲けなどを否定している訳ではありません。儲けがなければ会社は存在できませんし、 従業員もその家族もあるいは、社会全体も成り立ちません。そのことを私も知った上で、今全世界で課題になっている、この3大課題をずっと放置して さらに「必要であろうがなかろうが、大儲けのために今後もバンバン生産・消費していくのだ」と言う姿勢でやっていけるのかと言うことです。
私自身、この聞いた言葉シリーズで既に「瑞穂の国」、「地球温暖化と生活」、「人は地下資源を作れない」で、 この種の食糧、環境、資源・エネルギー問題などは取り上げてきました。よくよく考えてみれば地球が何十億年かかけて地下などに造り溜めこんだ資源などを、たった1世紀もしくは数世紀で 使い切り、枯渇(こかつ)させてしまうのは、私もその恩恵を直に受けている者ではあるのですが、何か考えさせられます。つまり、「我が亡きあとに洪水よ来たれ」式のやり方は、地球全体が破滅の道に突き進んで行くような気がします。
食糧問題にしても、昔からありますが、ここでは第二次大戦後からと仮定しても、もう何十年間か叫ばれてきたのでしょうか。近年良くなるどころか 逆にアフリカなどでは食糧危機から難民、暴動、虐殺まで起こっています。日本の農業も先進国最低の自給率40%を切ってしまって、歴史上最悪の状況と言っても過言ではないでしょう。
地下資源に頼らない生物体のバイオ燃料が注目されたこと自体の評価は 全部悪いこととはいいきれないかもしれません。しかし、その原料として例えばトウモロコシ、サトウキビ、小麦などが穀物市場において価格が急騰し、 今度は私たちの直接口に入る食料が値上げされてきたのは既にご承知の通りです。
結局、ここまで来ると今まで便利だから、効率がいいからと思って使ってきた石油系から全く発想を変えて、「地球環境を守るため、人類が生き残って将来の子孫ふくめた現代の人類が生き残るため、不便になるけど、いいか」と言う段階まで問われかけているような気がします。
この人類3大課題 環境、エネルギー、食糧は、身近で分かりやすい言葉ではあるのですが、反面「自分の会社だけでは・・・」、「自分だけの問題ではない・・・」と言いやすい面もあるので解決どころか、事態の深刻さがより一層深まってきている現状ではないでしょうか。