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聞いた言葉・第204回目、電波は国民共有の財産

電波は国民共有の財産

  今回の言葉は、私が高校生時代に初級アマチュア無線技士の資格を得るため(1969年に取得)、十数回の講習を受講した時に聞きました。その時の講師は、何回となく「電波は国民共有の財産だから法律もある。プロでもアマチュア無線でも、その財産を使わせてもらっているのだ」との内容でした。(注:右下側写真は、ある民家のアマチュア無線用鉄塔、上部が各種の八木アンテナ)

 私は、その当時、当然自宅にテレビやラジオなどはありましたが、生まれてこの方、電波とは何かなどを改めて考えたことがありませんでした。この講習時、それこそ初級(無線)程度ながら、電波や関連する法律を初めて知りました。ただし、電波とか無線と一口に言っても、かなり幅広く、奥も深く、難しい事柄も多かったです。

 そのため、今回のページでは、冒頭書きましたアマチュア無線関係を中心に書いています。なお、電波関係も沢山の用語が出てきますが、今回の言葉と関係しています用語例を少しだけですが、辞典を引用して下記に書いていきます。

 電波=一般に、周波数3キロヘルツから100万(109)メガヘルツの電磁波。長波・中波・短波・超短波・極超短波・ミリ波・サブミリ波など。無線周波。ラジオ波。<補説>日本の電波法では、300万メガヘルツ以下の周波数の電磁波をいう。(国語辞典の大辞泉より)

 電波法第1条=「電波の公平且つ能率的な利用を確保することにより公共の福祉を増進する」


 電波法(でんぱほう) =放送を含む各種の電波の公平な割り当てと、能率的な利用をはかることを目的とする法律。無線局の免許・設備・従事者・監督などについて規定する。昭和25年(1950)施行。(国語辞典の大辞泉より)

 アマチュア無線(amateur radio)=ハムhamともいわれる趣味の一つであるが,国際電気通信条約付属無線通信規則や電波法施行規則によれば,〈金銭上の利益のためでなく,もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練,通信および技術的研究の業務〉のための無線通信である。世界共通の周波数帯を使って国内国外のアマチュア局と交信し,通信技術の研究を行うほか国際親善につとめている。また,青少年の科学的興味の向上や災害時の非常通信にも役だっている。(世界大百科事典より)

 そして、冒頭に紹介しました講師の話の補足なりますが、次の言葉も印象強く残っています。それは、 「電波は国内だけでなく全世界へ飛んでいくから世界共有の限られた財産でもある」、「アマチュア無線は”キング・オブ・ホビー”(趣味の王様)とも呼ばれているが、それは単に無線機器が高価だけでなく、法律を勉強して資格(各種の無線技士免許)や開局免許を取得しないと、趣味としてもできないからだ」 などでした。

 なぜ、このような言葉を物覚えの悪い私でも、少し記憶しているのかは、学校で勉強したことのない、さらには電波や無線という新たな分野の話だったからだと思っています。特に、趣味で個人開局したアマチュア無線でも地球の裏側まで交信できることの驚きや、同時に楽しみだけではなく、国民や世界共有財産の電波を使っている責任もあるという点も大きかったと思います。

 その後、地震、水害などの災害時、電話が寸断し(当時、今のような携帯電話はまだなかった時代)、緊急時連絡用の一つの方法として、アマチュア無線が大活躍したことなどもテレビや専門誌で知りました。これらは、何もアマチュア無線に限ったことではなく、プロ用でも、また既に掲載中の「聞いた言葉・第157回目、『CB無線機は、この世の終わりまで使えるよ」ページに書いています通り、各種の無線機器は同様でしょう。
 
 話変わりますが、7月29日はアマチュア無線の日です。この日は、「1952(昭和27)7月29日、アマチュア無線が再開」されたことを記念して日本アマチュア無線連盟が制定しています。この「再開」という文字に、ご注目願います。つまり、先の大戦前は使用可能でしたが、太平洋戦争勃発<1940(昭和16)年12月8日>と同時に禁止されてしまい、戦後しばらくして上記の年月日に「再開」したということです。

私の関係ホームページ
 CB無線機は、この世の終わりまで使えるよ
 通信=信を通わせる
 デジタル時代に、ますます重要なアナログ作業
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 メディアの取材現場は変わらないし、役割が強くなる

 このページでは、「なぜ、戦争中は禁止になったか」などは書きませんが、いずれにしても「国民共有の財産」であるはずの電波も、一部部分ながらも禁止されたという歴史的事実に目を向けることも重要といえます。そして、今回の言葉通り、電波は国民共有の財産であり、また、限られた貴重な資源であるがゆえに、これからも永遠に平和で、(電波法第1条通り)「公共の福祉を増進する」ことになればなあと願っています。


(記:2017年7月17日)

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