TOP INDEX BACK NEXT

聞いた言葉・第95回目、『テレビのパソコン化、パソコンのテレビ化』

 

テレビのパソコン化、パソコンのテレビ化

 今回のこの言葉は、私とあまり変わらない年齢の家電販売店員さんと話している時に聞きました。テレビ販売コーナーで隣のパソコンを見ながら液晶テレビでホームページが見れることや、逆にずっと以前から販売されているテレビの見れるパソコンの話などをお互いしていました。すると「私も今後どうなっていくのか分かりませんが、さらにテレビのパソコン化、パソコンのテレビ化が進むでしょうね。どちらの機能も覚えないと、お客さんに説明できないので私のような中年になると覚えるのが大変です」みたいな会話が続きました。

 いまさら改めての説明は不要なのかもしれませんが、国語辞典の大辞泉によると、テレビはテレビジョン<television>動く画像を電気信号に変えて離れた地点に送り、それを映像に再現する通信方式。また、その受像機 」のことが本来の意味です。

 パソコンは同じく、「パーソナル‐コンピューター<personal computer>個人で使用する、もしくは個人で購入できる程度の卓上用の小型コンピューター」です。

 以上のように元々は通信による受像機のテレビと、計算及び各種データ作成のパソコンとは、どちらとも機器開発当初の目的は違っていたと思われます。

 それがパソコンで普通のテレビが見れるようになったのは1990年代のパソコン雑誌で、その説明が書いてあるのを見ましたので詳細は不明ですが遅くてもその頃から発売されていたのでしょうか。

 また、逆にテレビで今までパソコン画面で閲覧していたホームページが見れるようになったのも、かなり以前からあったのかもしれません。まあ、インターネット回線のあるパソコンからテレビ接続すれば、逆にアンテナ回線や受像機能のある機器からパソコンに接続すれば、どちらの画面とも見れることは可能だったと思われます。

 ただし、今回私の申し上げている「テレビのパソコン化、パソコンのテレビ化」の表現は一般化してきた、あるいは今後一般化することも含めてのことを指しています。いずれにしても私はどちらの機器とも販売当初の時期とか機能自体の詳細は、いずれも所有していないので分かっていません。ただ、両方の機器とも、ある種の共通項として、例えばゲーム機、DVDなどを見る場合は以前から同じと思われます。

 さらに、画面自体も特にパソコン側において当初はせいぜい10数インチの大きさでしたが、近年は20インチ近くが標準サイズみたいになり、中には30インチ以上みたいな機種も普通に見られます。これは液晶が当初より安くなって大型化しても安価に出来ためと思われます。現在のところ30インチ画面クラスまでなら、家電販売店のデスクの上に2種類並べられたら、どちらかパソコンかテレビか、本体を見ないと分かりずらい感じにもなってきました。

 あえて、「これはパソコンだ」、「あちらはテレビだ」と区分けすること自体が無意味で、いずれ両方一緒みたいになるのでしょうか。このような常に新技術などに後れを取っている私は、悩ましいものばかりです。そのようなレベルですから先の見通しなどは全く不明です。ただ、仕事・私用含めれば一日けっこう長時間はパソコン前に座っている者として、テレビのパソコン化になるのではないかなあと漠然と思います。

 それは、元々テレビの導入や一般化が速かったし、パソコン操作されない人でもテレビは今まで見ておられたでしょうし、そちらからが入りやすいと思われるからです。家族団欒の居間で50インチくらいのテレビを、(もう既にあるのかどうか知りませんが)半分はテレビ番組、あと残りの画面では見たいホームページを見るのも、両方の接続回線があれば出来るでしょう。そして、どちらとも簡単なリモコンのスイッチかタッチパネルでポンポンと操作するやり方でしょうか。

 私の願いは、過去のテレビ番組や映像量からすれば巨大なメモリーが必要かもしれませんが、見たい映画、自然、歴史、世界遺産、名所旧跡、観光地、芸術、音楽シーンなどのテレビ映像を見たい時にいつでもホームページのように見れればいいなあと思っています。既に、このようなことは現時点でもいくつかホームページから見れるようですし、また準備が進んでいるようですから期待しています。

 また、このようなことはどんなにテレビやパソコンが技術面が進んだところで結局、各種映像やコンテンツが、”芸術的価値”か”希少的価値”あるいは”多くの人が共感・支持した内容”でないと残っていかないと言うこともいえるのではないでしょうか。私は以前この「聞いた言葉」シリーズの第54回目『ホームページの命は継続と更新』や第47回目『最後はレンズ勝負ですよ』にも似たようなことを書いていますが、最終的にはテレビ・パソコン両分野ともコンテンツ勝負だろうと思います。

 その意味からして多くの国民から共感される、支持される質の高い映像や興味あるコンテンツ作りに日夜アイデアを考えておられる方や直接現場に出向く方々(通称、取材現場とか現場サイドと言われている人達)の力の発揮どころであり、そのような方の評価は大となるのは自然の流れだと思います。いずれにしても、今回のこの言葉、テレビとパソコンの本来お互いが持っている長所機能が統合され便利になることは大変いいことだと思います。

(記:2008年3月27日)

TOP INDEX BACK NEXT