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聞いた言葉・第144回目、箸の上げ下げまで言われる

(はし)の上げ下げまで言われる

 今回の言葉は、私の子どもの頃より両親、親戚や周りの方々からも良く耳にしました。その発言内容を少し補足しながら説明しますと、概要、次のような「」内の内容でした。世間では例えば会社の社長、何かの団体の会長(その他、様々な代表者など)になれば一挙手一投足(注1)が注目される。そして、褒められることなど”良いこと”でも、 逆に悪口みたいなことも含めて、さらに中には(食べる時の)”(はし)の上げ下げ”みたいに細かいことまで、人から言われる場合もある (注1) :一挙手一投足=こまかな一つ一つの動作や行動。(国語辞典の大辞泉より) >

  上記「」内をまとめ直しますと、社会にあまたある様々な組織の代表者になれば、その本人が 好むと好まざるとに関わらず、箸の上げ下げのような小さなことまで評価され、長所短所含めて言われるとの意味です。この言葉には、色んなことが考えられますが、例えば自ら進んで会社社長や政治家などになった場合、ある意味それはいくら言われても止むを得ない場合もあり、逆に本人は「他人から見れば、 そんな言い方もあるさ」みたいな冷めた見方も出来るかもしれません。

  次に、本人が望んでなくても順番みたいに引き受けざるを得ない代表者、例えば町内会の会長あるいは何かの会の代表者でも、先ほどと同様に人の評価や言い方は変わらないものと思われます。言われた本人からすれば「何故、自分が好きでやっていない、むしろ皆のために仕方なくやっているのに、あそこまで言われなければならないのか」とも思われるでしょう。

 色々と言われる人の中には、今まで、その種の役割を担当していない人(たとえ順番が来てもしない人含む)に限って、他人に厳しい言葉を投げかけられる場合が多いかと思います。それは、逆に言われる場面が、今まで少なかったことも起因しているからでしょう。

  念のため、私は、「その代表者が独善的とか自分勝手な判断や行動をするような場合でも批判しない方が良い」と言っているのでは当然ありません。今回の言葉と、それらは異質な別次元のことで、むしろ、そうなる前に適切な発言や評価は下すべきだとも思っています。

  話しは戻りますが、私が思うに本人が「望む」、「望まない」との意思とは関係なしに、結局、 そのような社会にあまたある何かの代表者などの役職は、人と接触し色々な発言や行動をする分、どうしても全ての方に褒められるようなことばかりにはなりにくいからだといえます。

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 ○○の大儀、私心なくば揺らぐことなし
 常に自制心と謙虚さを持って
 とかくに人の世は住みにくい
 人の気持ちは、変りやすい
 反対意見にも真理あり
 人は言うことよりも、やることを見よ

 通常時(何も起こらない場合)は、いいのでしょうが、何か重要問題が発生し、事柄の解決に当たらなければならない時には、十人十色の言葉通り全ての人に様々な意見や行動があります。そんな中で全部の人を百パーセント満足させることは、なかなか難しいことではないでしょうか。

  ただ、私は色々なことがあっても、私利私欲や私心で動いていない限り、「時が解決」する場合もあって、いずれ分かって下さる時もあるのではないかとも思われます。また、「人は言うことよりも、やることを見よ」との言葉もあります。これは、その都度の短期間だけでなく、長い期間かけての評価もされるようですから、たとえ”箸の上げ下げまで言われる”ことがあったとしても、その時だけで一喜一憂することもないような気がします。

(記:2012年6月4日)
  

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