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聞いた言葉・第227回目、「統制に弱い日本人」と、同調圧力

「統制に弱い日本人」と、同調圧力

 今回の言葉で先の「統制に弱い日本人」を最初に聞いたのは、会社の先輩からでした。上野が、まだ20歳代だったと思います。その当時も今も物事を深く掘り下げて考えず、行動が先に出て失敗ばかり続けている性格からして、先の言葉の本当の意味を当時分かっていませんでした。次に、同調圧力の言葉は、近年何回となく報道などでも聞いています。ただし、前と後の言葉の意味は、下記の国語辞典では、当然違います。。

<用語解説>(デジタル大辞泉より)
 統制とは、「1 多くの物事を一つにまとめておさめること。「―のとれたチーム」 2 国家などが一定の計画や方針に従って指導・制限すること。「物資のー」「言論を―する」

 同調圧力とは、「集団において、少数意見を持つ人に対して、周囲の多くの人と同じように考え行動するよう、暗黙のうちに強制すること。


 次に、話は変わりますが、私は、2012年11月9日に開催された大村市公開顧問会議で聞いた一部からです。その内容は、何かあった場合、国民性の違いから事に当たる行動の違いを表現している言葉で、エスニックジョークがあることを教えてもらいました。
 それは、「沈没船ジョーク」というもので、難破した船から荒海に飛び込む時、その船長が乗客にかける言葉です。(注:太文字は上野付けた)

 ・アメリカ人に 「飛び込めばあなたはヒーローになれます。」
 ・イギリス人に 「飛び込めばあなたはジェントルマン(紳士)になれます。」
 ・ドイツ人に 「飛び込むのはルールです。」
 ・イタリア人に 「飛び込めばあなたは女性に愛されます。」または「先程物凄い美人が飛び込みました。」
 ・フランス人に 「飛び込まないでください。」
 ・ロシア人に 「海にウォッカのビンが流れています。」
 ・日本人に 「皆さん飛び込んでます。」
 ・韓国人に 「日本人は飛び込んでます。」

 上記の詳細は、ウィキペディアの「エスニックジョーク」ページから参照願います。私の蛇足の解釈ながら、この「皆さん飛び込んでます」との「皆さん」(全員が、そうしている)と言えば日本人は安心して、同じ行動をするとの皮肉(ジョーク)です。念のため、上記は、あくまでもジョークですから、目くじらたてるほどではないでしょう。 ただ、この船長が、日本人の乗客に掛けた言葉や雰囲気は、今でも会社内だけでなく、様々な何かの会議や行事で見聞きされないでしょうか? また、大きなことでも、政治や選挙でもあるかもしれません? 

 逆に、あまたある諸会議などで皆と違う意見、反対論などを言うのは、けっこう勇気がいるのではないでしょうか? また、何の事柄でもいいですが、皆と別行動するのは、同調行動を求められないフリーの場合でも、皆と違った動きを避けたがる傾向があるようです。

 次は、その小さな具体例です。私は、下手な横好き素人カメラマンですが、何か極ありふれた行事の記念写真を写す時に、次のような話しを聞いたことがありました。出席者同士で事前に「今日、どんな服を着て行くの?」と話し合ってきたとか、「前年の記念写真の服装を確認してから来た」ということです。私は、思わず「えっ!」との言葉とともに、(大村弁で)「服装なんか、どげんでん良かたいね」とも思いましたが。

 以上述べてきた内容は、冒頭に書いた先輩の言葉、あるいは後の国語辞典や「エスニックジョークが全部正しいこととするならば諸外国、とりわけ欧米では見られないような日本人の体質ではないでしょか。今回の言葉「統制に弱い日本人」や同調圧力が戦前、為政者に利用されたと思える事例もありました。ただし、このページに詳細は、書きません。(いずれ別ページに書く予定)  そのことでで極簡単に言えば戦前、為政者によって戦争推進を進める政治や国民運動に、「日本人的体質」が利用されたということです。

 また、現在では、「失われた30年」ともいわれている日本経済の地盤沈下の要因にも、この「日本人体質」もあるのではと、私は考えています。かつてアジアでも(世界でも)日本が独壇場ともいわれていた例えば電気電子通信技術(家電など)が、現状がどうなっているか、もうどなたでもご存知の通りです。

 アメリカはいうに及ばず、(かつては日本に比べ発展途上国と呼ばれた)東南アジア諸国でも新しい、独創的な発想により様々な新しい商品が、日本でも売れています。それに比べ、何事も金太郎飴の延長線上みたいなことしかできないやり方では、経済分野でも遅れをとっているということでしょう。

私の関係ホームページ
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 さらにひどいのは、一人当たりのGDPでもアジア諸国に追い抜かれつつの現状でも、「まだ日本が上だ、まだ、大丈夫。アベノミクスは成功している」などの幻想も、より根本解決策の逃避とも思えてきます。あと、統計(数字)は隠せないので、結果、統計数値の不正、改竄(かいざん)までおこなう為政者の行為もあります。もしも、それらが日本の「新技術、独創的な発想力」とするならば、確かに、それは諸外国にない技術かもしれません。

 私は、日本人一人一人が、家庭や住んでいる地域(町内)で生活する上で、人に合わせることは、良い場面もあると思います。しかし、会社内、さらに広くは選挙や政治の世界で、前歴前提第一主義や同種同発想の延長線上などでは、国内でもアジアや世界でも、日本は遅れを取るばかりと思います。 その対応策は、今回の言葉、「統制に弱い日本人」と、同調圧力から脱皮していくしか、そのベースはないとも考えています。


(記:2022年8月1日)

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