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聞いた言葉・第146回目、自然エネルギー、再生可能エネルギー

自然エネルギー、再生可能エネルギー

  今回の言葉、かなり長くなりますが、まずは、国語辞典の大辞泉から言葉の意味を次の<>内に書いていますので、ご参照願います。 自然エネルギー再生可能エネルギー=自然の営みから半永久的に得られ、継続して利用できるエネルギー。有限でいずれ枯渇する化石燃料などと違い、 自然の活動によってエネルギー源が絶えず再生、供給され、地球環境への負荷が少ない。 新エネルギー(中小水力・地熱・太陽光・太陽熱・風力・雪氷熱・温度差・バイオマスなど)、 大規模水力、および波力・海洋温度差熱などのエネルギーをさす。温室効果ガスを排出することなく エネルギーを得られるため、地球温暖化対策の一つとしても重要視されている。エネルギー変換効率、コスト、 需給バランスなどの問題点が残されているが、国際的な環境交渉の場において、温室効果ガス削減の一端を担うものとして、 各国で導入目標の策定や利用促進に向けての取り組みが進められている。自然エネルギー>  

 自然エネルギー再生可能エネルギーと言っても先の辞典内容のように幅広く種類も多く、さらには、その定義の議論も一般には活発にされているようです。あと、このようなエネルギーが用いられたり、再評価の声が叫ばれて何十年になるのでしょうか。何か感覚的には、発電用エネルギーのこととか福島原発の事故以降、大きく言われているようですが、実際はもっと長い歴史があるようです。

  分かりやすい例として、発電用エネルギーの一例として日本最初の水力発電所は、現在名称の東北電力・三居沢発電所が1888(明治21)年に竣工し、初めて電灯がついたそうです。(三居沢発電所、三居沢電気百年館ページ参照) 風力発電は、戦後間もない頃に小規模なものは既に登場していたようですから、かなりの歴史もあります。さらに国内での研究開発あるいは外国からの製品や技術導入などにより、現在見るような風力発電所になっていったと思われます。このように発電分野と限定しても、かなりの自然エネルギー利用の長い歴史があります。  

 これが、発電だけではなく身近な日常生活あるいは農業分野のエネルギーならば、どうだったのでしょうか。例えば水力利用です。日本では縄文・弥生時代に水利の良い場所から稲作が始まったと思われます。 それ以降さらに開墾などが段々と進み、水の取り込みが不便な所でも水車を利用した灌漑施設が相当古くからあったものと考えられます。 また、収穫した稲を食用米にするには脱穀の必要性がありますから、それにも水車を利用していたと考えられます。

 あと、直ぐに再生可能ではないかもしれませんが、木材は暖房エネルギーにもなるし、建築用資材などへの利用も当然あります。日本の国土は、高温多湿の気候からか木が良く繁り、 乱開発をせずに植林などを適切にしていけば木は、ほぼ無尽蔵のごとく使用可能とも言えます。このページでは詳細書きませんが、この木材の建物用(住宅用)資材は、リサイクルも可能で、さらに何百年か前のものでも古民家とか古民芸とかの名称で人気さえも集めています。

  さらに間伐材を砕いてカプセル状にしたものを燃料として使う間伐材ペレット利用のストーブもあるようです。昔は薪ストーブは必ず煙突が必要でしたが、 このペレットストーブならば煙突は不要とも紹介されているようです。何事も簡単に直ぐにとはいかないでしょうが、例えばペレットストーブみたいな暖房器具が、さらに全国で一般化すれば中東などから輸送コスト含めて購入している石油・ガスなどの化石燃料に全部頼らなくても、せめて民間用の燃料資源は、いずれ国内調達でも相当可能になる時代が来るかもかもしれません。

 今回、自然エネルギー再生可能エネルギーについて、一般に語られていることを書いてきました。私のような者が口で言うほど、このテーマは簡単ではないと重々分かります。それでも、「このままで、いいのだろうか?」との疑問は、福島原発事故以降、さらに身近になってきているような気がします。これらのエネルギー切り替えについても様々な克服すべき問題や課題も沢山あると思われます。しかし、日本の先人達は、大昔から極普通に色々な自然のエネルギーや資材を上手に巧みに使ってこられた長い歴史もあります。それは、つい何十年か前まで続いていたことでした。

 現在の電気利用と一昔前の状況とを対比して、このようなエネルギーへの切り替えについて、「今より不便になる」とか「いや、不便にはならない」みたいな議論も私なりに知ってはいます。でも、逆に私は、ある方から「良く使う部屋の4灯だけをLED電球に変えた。そうしたら電気料金が月1,000円ほど安くなった」とも聞きました。つまり、電灯をLEDに変えただけでも電気消費量が、少なくなったと言うことです。このような工夫が国内全家庭、商店や工場で実施されていけば何万キロワットの節電ができるのでしょうか。また、何もLEDだけでなく、別の分野でも科学技術の進展と人の知恵や工夫を重ね続けていけば相当な効果が考えられるのではないでしょうか。

私の関係ホームページ
 人は地下資源を作れない
 3・11以降、日本人の意識の変化
 人類3大課題 環境、エネルギー、食糧
 地球温暖化と生活
 21世紀のテーマ、自然と家族
 築100年、200年は新しい建物

 あと、原発によるエネルギー政策は、お金の力で過去「安全神話」を作り出していたこと、そして国民をだまし、事故になれば「想定外の津波だった」と言い訳を繰り返したことを3・11以降見てきました。さらに被害者の方々は、日々、放射能の恐怖におびえ、生活や事業にも影響を与え、故郷にも戻れない状況を続けておられます。このような原発事故が、一旦起きれば人の力では制御不能だと言うことも知りました。

 先の状況も含め原発からは脱却していくことが、本当に求められていると思われます。このページで述べてきた通り、色々な知恵と工夫を重ねて今日生活している日本人は、より一層自然エネルギー再生可能エネルギーを上手に、忍耐強く社会でも一般家庭でも確立できる能力も行動力も持っていると思います。何回も繰り返しになりますが、つい何十年か前の日本では、様々なエネルギーを上手に使い分けて生活しておられたことも忘れてはならないことだと思っています。
 

(記:2012年7月9日)
  

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