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聞いた言葉・第179回目、『アメリカによる盗聴は世界の指導者へ』

 

アメリカによる盗聴は世界の指導者へ

  はじめに、私が今回の言葉を書いた訳は、(2013年10月14日付)「聞いた言葉シリーズ第177回目、『守るべきは報道の自由、この国の未来』を掲載してから間もなかったからです。先のリンク先ページには、ウォーターゲート事件<=1972年米国の大統領選で、共和党の運動員が、ワシントンのウオーターゲートビルにある 民主党本部に盗聴装置を仕掛けようとして発覚、ニクソン大統領の政治倫理が問われ、1974年8月に辞任に追い込まれた政治事件。(国語辞典の大辞泉より)>と、そのことに対する ワシントンポスト紙の活躍を書いています。

  今回のアメリカによる盗聴は世界の指導者への言葉に戻りますが、この問題を報道していて、しかも日本語で読める外国のメディアや英語のインターネットの紹介記事など、ほぼ同様あるいは似たような見出しがあったからです。 10月24日付イギリスの「ガーディアン」電子版では、盗聴された可能性のある「世界の指導者」の人数は、35人のようです。

 この件で、フランスのオランド大統領、ドイツのメルケル首相などは直ぐに反応され「友好国、友人への盗聴はやめよ」みたいな主張をされました。日本は、この「世界の指導者」の 35人に入っているのか、いないのか不明ですが、同日の産経ニュースによれば官房長官の発言として、 <「安倍晋三首相に対する同様の盗聴行為はなかったとの認識を示した。「日本政府はこれまでも情報保全のためのしかるべき対応を取ってきた。 (安倍首相は)全く問題ないと思っている」と述べた。>と掲載されていました。

  また、これら日本政府の見解に対して、ホームページを検索すると様々な意見が出されております。例えば(概要)「アメリカを丸ごと信じているのか」、「日本はドイツ首相のような影響力ある世界の指導者に入っていないのか」、「せめて事実確認だけでもアメリカに求めないのか」など、多数の意見です。

  ここで通信の秘密などについて、改めて日本国憲法を見ますと、<日本国憲法第21条 1.集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。 2.検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。>と書いてあります。私のような憲法素人の者でも、この条文は簡潔かつ明瞭で大変分かりやすいです。 つまり、今回のような盗聴は(法律上の極一部の例外を除いて)絶対にしたらダメだと言うことでしょう。

  私は世界各国の憲法や法律を調べた訳ではありませんが、「通信の秘密を侵してはならない」ことは、民主主義国、自由主義国あるいは先進国と標榜されている世界の国ならば、 ほぼ日本国憲法と同じではないでしょうか。それが、なぜ起こっているのでしょうか。アメリカは当然のごとく「防衛・安全上」とか理由を述べているようです。ただ、このような理由だけでは、 アメリカとの同盟国関係(メルケル首相の言葉を借りれば”友人同士の間”)であるのに盗聴をおこなう行為など、やはり理解されないでしょう。

  冒頭紹介したアメリカ国内問題で他党への盗聴行為(ウォーターゲート事件)でも、当時のニクソン大統領は辞任に追い込まれたのでした。そのくらいアメリカ国内でも、大きな問題です。それが、今回アメリカによる盗聴は世界の指導者へおこなわれているので国家間、首脳間の問題までになっているのです。今後、盗聴された世界の指導者側の心の中では、アメリカへの信頼関係は大きく揺らぎかけているのではないでしょうか。

  また、このような行為をアメリカ政府側が今後もおこなっていくならば、今以上に電話、携帯電話、電子メールなどからの国民監視は、さらに強くなっていくのは必定でしょう。 それは、またアメリカ国内だけに留まらず日本国内でも、憲法第21条を無視する形で進められるかもしれません。このようなことになれば、本当に国民とって怖いことになるでしょう。

私の関係ホームページ
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 例えば過去には犯人でない人まで 冤罪(えんざい)によって犯人に仕立て上げられ、マスコミによるリーク報道によって全国ニュースが毎日繰り返しおこなわれて一生取り返しのできない被害に遭われた例も幾らでもあります。このようなことは、盗聴含めて何でも可能となると、より一層ひどく広範囲になるかもしれません。

  日本含めて世界の国々で、「なぜ、通信の秘密が憲法や法律で条文化されているのか」と言う、そもそも論から考えていかないといけないのではないでしょうか。私が思うに過去の歴史の教訓が、各国の憲法に書き込まれていると思います。


(記:2013年11月4日)

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