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聞いた言葉・第216回目、若い科学者1人の価値は老いた政治家20人分だ。

若い科学者1人の価値は老いた政治家20人分だ。

 今回の言葉の出典は、先に掲載中の「聞いた言葉・第133回目、知恵の光を見るには、まず自分を空にするのだ。」ページにも書いていますが、 映画2012(2009年制作のアメリカ映画で、 日本での公開は 2009年11月21日)からです。映画2012の監督は、ローランド・エメリッヒ、配役はジャクソン・カーティス役:ジョン・キューザック、トーマス・ウィルソン大統領役:ダニー・グローヴァー、エイドリアン・ヘルムズリー博士役:キウェテル・イジョフォーなどです。

 ここで、毎ページのように書いていますが、私の『聞いた言葉シリーズ』は、映画紹介ページではありません。そのため、この映画の詳細を知りたい方は、例えば<Yahoo!映画作品情報の2012 映画>などをご参照願います。 ただし、詳細は書きませんが、なぜ,、今回のこの言葉が話されたのかと言う背景説明は、必要ですので簡単に書きます。

写真は(映画)2012 スタンダード版DVDより
 この映画は、マヤ暦による2012年終末説を題材にしたものです。映画では、その前の2009年に地球各地で今までにない天災、異変が続出していました。いち早く科学者は気づき対処策を政府に提言していました。(途中、全て省略) 

 そうした中、世界の主要国や大金持ち達が、極秘裏に出資して造っていた(現代版)「ノアの箱舟」ともいえる巨大船を建造しました。この映画の中盤で、地球各地で天災が深刻化する中、続々と各国首脳、要人や出資者の家族が、巨大船に向かっていました。博士から報告を受けた大統補佐官は、教会内にいたアメリカのトーマス・ウィルソン大統領へ、エアフォースワン(大統領専用機)で脱出をすすめます。

 しかし、死を覚悟していた大統領は、補佐官などを教会から締め出し、自分の息子のように可愛がっている博士と、二人きりで静かに話しをするシーンがあります。その会話内容の概要は、以降の通りですが、一部省略しています。
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大統領:I'll be the last president of the United States of America. 「私はアメリカ合衆国の最後の大統領となる」 (中略)

博士:「誰にも国を救えません。(大統領)閣下、人々には知る権利がある」 No one could have saved the country. Sir And I think ... I think people have a right to know. (大統領「それは何とかする」と返事。 中略)

大統領:I's a brave new world you're heading to.「君が向かうのは、すばらしい新しい世界だ」 And a young scientist is gonna be worth 20 old politicians. 「若い科学者1人の価値は老いた政治家20人分だ」 

 私は、「映画は、その時だけ楽しめれば、それだけで良い」との考えの持ち主です。ですから、先の大統領の言葉も映画の台詞だけと思えばいいのでしょう。しかし、現在の日本の政治情勢などど、どうしてもダブって来て、色々と考えるのも、また必然とも思いました。

 日本は、ずっと以前から”先進資本主義国”、”経済大国”、”世界第3位の経済力”などと言われながらも、その実態は、その経済力以下の国々の国民より悪いのも多いようです。また、表面上だけは、「最長の好景気」とか「実質賃金は上昇した」と表現されていました。しかし、その数値さえも「毎月勤労統計」などの不正統計問題で、怪しまれ、野党などからは「GDPをかさ上げしている”アベノミクス偽装”」などとも言われているようです。

 また、このシリーズでも何回となく取り上げています表現で例えば、「格差社会」 「不安定雇用者の増大」 「一生不安定雇用の仕事」 「ワーキングプア」 「ネットカフェ難民」 「医療制度の不安」などを始めとして、さらに「年金不安」、「過労死」  「年間自殺者3万人」とかの言葉があります。これらの言葉で象徴されている日本の状況は、もう悪い事柄は無くなり、根本的に良くなったのでしょうか? むしろ、数十年間続いているのではないでしょうか。

私の関係ホームページ
 空気で作られた「真実」と「正義」
 真実を自分で探す時代
 全ての人をいつまでもだまし続けることは出来ない
 演説の希望と失
 経済=経国済民
 カレーライスとライスカレーの違い

 日本売り

 悪貨は良貨を駆逐する(グレシャムの法則)
 雰囲気選挙より政策の判断を
 経済の語源に逆行する政策は破綻への道
 言葉遊び国会、劣化政治
 策士策に溺れる
 政権交代の期待と裏切り
 トリクルダウン理論(trickle-down theory)
 今回の言葉=映画2012の大統領の台詞「若い科学者1人の価値は老いた政治家20人分だ。」に戻ります。なぜ、この言葉を自らの生死迫る緊急事態の中でも、若い博士に大統領が言ったのか? 私流に考えて、このアメリカの大統領も大なり小なり、先に紹介した日本の政治状況と同じく国民を誤魔化す不正、改ざん、隠ぺいなどを体験した結果からではないでしょうか。

 それに比べ、科学者の使命は、地道な事実と真実に基づく調査の積み重ねと、科学的根拠に基づく分析や予測の世界だからではないでしょうか。だからこそ、大統領は、”新世界”でも活躍するであろう若い博士を励ましたと思います。

 私は、この映画世界の台詞に少し同調はします。しかし、私自身の現実世界の考えは、国・都道府県・市町村と行政単位で人数は違えど、多くの人々の要望実現のため新人・中堅・ベテラン政治家(議員)も、それぞれの力を発揮して、国民・住民の負託(ふたく)に応えて欲しいと願っています。

 古今東西どこの国も、時の政府か、いくら上手に口先や統計を使って誤魔化しても、いずれ、その真実は白日のもとにさらされてきた歴史もあります。だからこそ、アメリカの第16代大統領リンカーンの言葉(聞いた言葉・第83回目)全ての人をいつまでもだまし続けることは出来ない。となるのではないでしょうか。

 あと、国民一人一人が、科学者のような考えにはなれないかもしれませんが,、何事も諦めないで、(聞いた言葉・第68回目)真実を自分で探す時代のようになれば、長期では必ずや好転するとも思えます。


(記:2019年2月25日)

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